『K-12』2019年
不思議な特殊能力を
持っている少女クライベイビー。
不思議で不気味な寄宿学校で、彼女は様々な問題に直面するが、
仲間とともに立ち向かっていくのだった…。
開幕1分でその独特な世界観に夢中になりました。
ピンクな世界、ポップな色使い、ゆめかわいい衣装に髪型。
どんな可愛くて素敵な物語が始まるんだろう、と思っていたんですが、
その想像はすぐ覆されることになりました。
不気味な学校を舞台に繰り広げられるダークメルヘンだったのです。
いじめや、性差別、思春期の悩みなどが各所に散りばめられていて、
かなり重めなテーマを扱っているなぁ、という感じですが、
終始ミュージカル仕立てで進んでいくので爽快感がありました。
音楽もダンスも衣装も全部いい!!
つい魅入ってしまいますし、何度も見たくなる魅力がありました。
クライベイビーがいる学校はとても奇妙で不気味な場所。
とにかく説明が省かれている映画なので
個人的にこう感じた、というだけなのですが、
『校則』が絶対で、子どもである生徒は大人である教師の言うことを聞かなければいけない。
こういった『型にはまる』窮屈さからの脱出をしたい。
自分が思うように生きたい。
魔法の力で次々と問題を解決していくクライベイビーたちを見ながら、
そういうメッセージを受け取りました。
タイトルにもある『K-12』というのは簡単に言うと義務教育という意味だそうです。
この『K-12』。
クライベイビー役の役者さんの表現力がすごいなぁ。
そして、まるでMVを見ているみたいだな、と感じていたのですが、
アーティストのメラニー・マルティネスさんが主演、脚本、監督をしていると知り、
なるほどな、と納得できました。
とても長いMVを見ているようで、物語を完璧に理解するのは難しい作品だと思いますが、
とにかく音楽、衣装、ダンスがとてもとても素晴らしいので、
ぜひ見たことない方は見てみてほしいです。
元気が出ないときとかにも、活力がもらえそうだな、と思ったり。
繰り返し見たいな、と思える作品でした。
女の子はピンクの制服。
男の子はブルーのズボン。
そう決められた学校に通うクライベイビー。
彼女の制服はパープルでした。
自分らしく生きるぞ!!そう聞こえてきた気がします。