おうちで映画時間。

アマプラなどで見た映画の感想を書いています。

映画感想『パーム・スプリングス』今日という日を無限にループするふたり。

 

『パーム・スプリングス』2021年

 

砂漠のリゾート『パーム・スプリングス』で行われる結婚式に出席するナイルズ。

彼はそこで出会った花嫁の姉サラといい雰囲気になるが、突如ボーガンで襲われてしまう。

混乱するサラを置いてナイルズはとある洞窟へと逃げ込むが、

気づくと再び結婚式当日の朝へと時間が巻き戻っていて…。

 

結婚式が行われる11月9日を永遠に繰り返すタイムループ作品。

同じ日をエンドレスで繰り返しているナイルズですが、

そこにサラも巻き込まれてしまい、ふたりでループしていくことに。

あるひとりがループから抜け出せない時間軸にいて…、

というような作品はたくさん見たことがありますが、

複数人でループを経験していく、というのはなかなか珍しい気もします。

 

ナイルズとサラ以外にもナイルズに恨みがあり襲撃してくるロイ、

そしてほかにもループしているのでは?と思わせるセリフを吐く人物がいたり、

この『パーム・スプリングス』という地域が特別な場所っぽい雰囲気があります。

 

ループしたことを信じられず取り乱すサラ、

数え切れないほどループをしていてもう感覚が狂ってしまっているナイルズ。

このふたりの凸凹コンビが『ループ』という事実に

向き合ったり、逃げたり、乗り越えようとしたり、あきらめたりする模様が、

たった1日の中で行われていきます。

 

1日という設定がとても面白いな、と思いました。

もし1週間あったら、遠い遠い場所まで行けるし、いろんな経験ができる。

だけどたった1日だと、できることも限られていて。

この1日の感覚が人によって様々なところが面白いな、と感じる点でした。

1日だからなにもできないのか。1日だから無限になにかできるのか。

 

無限に繰り返される1日の中で、いいコンビになっていくナイルズとサラ。

どうせ目覚めればまた今日の朝に戻っているんだし、と

はちゃめちゃに過ごすシーンは正直見ていて最高におもしろかったです。

だけど、やっぱりそれって一瞬だけの楽しみなんですよね。

未来に進みたい、と思うサラがループを利用して量子力学を学び始めるシーンが素敵でした。

できないかもしれないけど、やってみる。

映画の序盤では自信なさげで控えめだったサラが、1日を繰り返すことで変わっていく。

時間は進んでいなくても、確実になにかは変化していく。

 

無限の1日の中で。なにも意味なんてない、と思っていた1日の中で。

お互いが好きだと気づいたナイルズとサラ。

もしループしていなかったら、ふたりは他人のままだったんですよね。

11月10日に脱出できたふたりの未来が楽しくありますように。

 

全体的にかなりコメディチックに描かれていたループものでした。

ループものってちょっとこんがらがっちゃうときとかあるんですが、

そういう小難しいことを考えずに軽い感じに見られる作品だな、と思いました。

それから、彩度高めのリゾート風景がエモくてよかったです!!

人様のおうちのプールで勝手に遊んでるのには笑ってしまいましたね。