『最強のふたり』2012年
首から下が全身麻痺の大富豪フィリップは、
ある日、面接に来た黒人男性ドリスを雇うことに。
最初こそ凸凹なふたりだったが、次第にお互いの心は固い絆で結ばれていく…。
実話に基づいたお話とのことで、びっくりしました。
おもしろい!!と言っていいのかな?本当におもしろかったです。
環境の違うふたりが、最初は戸惑い、だんだんと距離が近づいていく、
そんな感じのハートフルなストーリー。
少々荒っぽくてノリのいいドリス。
そして物静かで教養のある大人なフィリップ。
対照的なふたりですが、それぞれの『世界』になかったなにかを享受して、
(例えば、ドリスにとっての絵画やクラシックだったり、
フィリップにとってのタバコや、障害者扱いしないドリスの態度だったり)
新しい価値観に目覚めて生き生きとしていく様子は見ていて感動しました。
あと一歩踏み出せないフィリップの人生を、ドリスは強引に変えていきます。
文通相手に電話で連絡を取ってみたり、車椅子で爆走してみたり、
介護用の車ではなく、乗用車の助手席に乗せてみたり。
フィリップの吹き出さないようにこらえた笑顔がとても印象に残りました。
ドリスといて、本当に楽しんだなぁ、という気持ちが伝わってくるようで。
個人的に、ドリスのさらっとした優しさが素敵だな、と思いました。
人のために本気で本当の心を曝け出すのって難しいことだと思うし、
こうしたい、ああしたい、これは嫌だ、と口に出せるのもすごい。
行き当たりばったりに見えて、しっかりとしているドリス。
そういう人間性にフィリップは惹かれたのかな。
それぞれが持っているもの、持っていないもの。
それらを分け合って、いつの間にか相棒のようになっていくふたり。
心の底から信頼し合える相棒って素敵だなあ、と思いました。
リメイク版もあるようなので、いつか見てみようかなぁ。