おうちで映画時間。

アマプラなどで見た映画の感想を書いています。

映画感想『セッション』この指導者、鬼すぎる。

 

『セッション』2015年

 

偉大なドラマーになることを夢見て名門音楽院に通う19歳の学生ニーマンは、

ある日、学院最高の指導者として有名なフレッチャーと出会い、

学院最上位のクラスのバンドへと向かい入れられる。

しかし、フレッチャーは信じられないほどの鬼指導者で…。

 

おもしろすぎて食い入るように見てしまいました。

映画の始まりは、ひとりドラムを練習するニーマンのカットから。

画としては静かなのに、音としては賑やかで。

ほんの一瞬でこの映画の世界観にぐっと惹きこまれた感じがします。

 

ニーマンが出会った指導者フレッチャー。

彼が濃いキャラクターをしていて、ものすごかった…!!

ひとことで言うなら『鬼指導者』。

生徒にひたすら詰め寄って、圧をかけて、暴言を吐き捨てる。

どれだけ暴言レパートリーあるの!?と感心してしまうほどだった。

進撃の巨人のキース教官を彷彿とさせるような。そういう雰囲気。

 

「なるほど、この鬼指導者とニーマンはコンビっぽくなるんだな!」

…などと考えていたんですが、まったく違いました。

ニーマンとフレッチャーは常に対立しているといっても過言じゃなかったです。

とにかくフレッチャーはニーマンに厳しい。

それによって悔しさを覚えたり、なにくそ根性で練習に励んだりして、

ニーマンのドラムもレベルが上がっていくわけですが、

常に圧をかけられていたらストレスもものすごいわけで。

良い師弟関係を築けないニーマンとフレッチャーの、

なんというか、どろどろした関係性が個人的には結構好きでした。

 

なにかのプロになるって、生半可な気持ちじゃできないと思う。

フレッチャーの教育は少し行きすぎてるのかもしれないけれど、

じゃあ優しくし続ければいいのかといったら、違うわけで。

それに、大人になったら、プロになったら、叱ってくれる人はほぼいない。

叱ってもらえるって、結構ありがたいことだったりするんですよね。

過去に芸能のお仕事をしていたんですが、

現場は意外とドライというか、さくさく進行のことが多くて。

自分のお芝居が果たして合格ラインに達しているのか。

そんなことは誰も教えてくれなかった。

「できて当たり前」の世界なんですよね。

自分に疑心暗鬼になってしまうくらいなら、若い内にいっぱい叱られて成長したかった。

そういう意味では、ニーマンは恵まれているなぁ、と思いました。

 

さて、この『セッション』という映画。

本当に音楽が素晴らしくて、聞き入ってしまいます。

ジャズミュージックっておしゃれだしかっこよくて惹きこまれますね。

ヘッドフォンで爆音で映画を見ていたんですが、

できるなら映画館で見たかった…!!

特にラストのステージは圧巻すぎて何度も見たくなるシーンでした。

ステージを乗っ取るニーマン。飲み込まれるフレッチャー。

舞台にはバンドメンバーがたくさんいるけれど、

この瞬間はニーマンとフレッチャーのふたりきりの世界だった。

間違いなく、ふたりの『セッション』でした!!

 

音楽がテーマの映画、もっと見たいなぁ。