おうちで映画時間。

アマプラなどで見た映画の感想を書いています。

『夏へのトンネル、さよならの出口』ちょこっと感想。

 

『夏へのトンネル、さよならの出口』2022年公開。

 

『入ればなんでも欲しいものが手に入る』と噂されるウラシマトンネル。

塔野カオルと花城あんずは互いに欲しいものを得るために、ウラシマトンネルへと足を踏み入れる。

だけれどそのトンネルの中は時間の流れが違っていて…。

 

ライトノベル原作の映画。

原作小説も静かな雰囲気で物語が綴られていくけれど、

映画も同じようにとても静かでゆったりとした雰囲気です。

2005年が舞台ということで、スマホではなくガラケー

さらに田舎町を舞台にしているのでどこかノスタルジーな世界観が味わえます。

パカパカ開くケータイや、メールを受信するの文字など、懐かしさがすごい。

 

死んだ妹を取り戻したい塔野くんの決意。

特別な才能が欲しい花城さん。

共同戦線を張ってウラシマトンネルを調査したり、

一緒に水族館やお祭りに行ったり、

次第にお互いが惹かれ合っていく描写に心がときめきます。

ああ、青春だなぁ、と。

ポーカーフェイスな塔野くんとクールビューティーな花城さんが、

心の底から「あはは」と声を出して笑い合うシーンにはぐっときました。

無口気味はふたりにとてつもなく感情移入できるのは、

ほぼこのふたりで物語展開されていく映画だからかもしれないです。

 

だけれどウラシマトンネルはそんなふたりを引き裂いて。

塔野くんは時間と引き換えに大切なものを取り戻して、そして手に入れて。

ラストはいくらでも悲しい結末にできたと思う。

でも『みんなが笑える世界』がいいから。

そう妹は願うから。

だからあのラストになったのかな、と思いました。

 

ウラシマトンネルを抜けて、

塔野くんはやっと明日を見ることができたのかな。

 

原作小説はこちら。