おうちで映画時間。

アマプラなどで見た映画の感想を書いています。

映画感想『バックドラフト』日々火と戦う消防士たち。

 

バックドラフト』1991年

 

目の前で殉職した父の後を継いで消防士になったブライアンが配属されたのは、

兄スティーブンが隊を率いる第17小隊だった。

反発し合う兄弟の関係性の中、街では次々に謎の放火事件が発生して…。

 

公開当時、テレビでたくさんCMが流れていたよなぁ…。

と懐かしくなって見てみた作品です。
(でも当時とんでもなく幼かったのでCMうんぬんは勘違いかも?)

個人的なことになりますが、私は火というものがどこか苦手です。

なので火事を取り扱ったこちらの作品も、下手したらホラー映画を見るより恐怖心がありました。

だけれど、昔からどんな話か気になっていた作品のひとつでもあったので、

今回は勇気を振り絞って見てみることに。

 

いろいろと迷い遠回りをして消防士になった弟ブライアン。

真面目で自分に絶対的自信を持つ消防士の兄スティーブン。

このふたりを主軸にして話は進んでいきます。

兄弟は決して仲良しではなくって、すぐにぶつかり合う関係性。

主にブライアンが噛みつくことが多いのですが、

きっと最終的には兄弟がハッピーになるんだろうなぁ、と思っていました。

ラストのラストまでは…。

まさかあんな涙が溢れる展開になるとは思いませんでした。

 

お兄ちゃんは大人になってもやっぱりお兄ちゃんで。

弟のことが心配で、弟のことを守りたくて。

酔っ払った兄の寝言のような言葉で察したときは

「お兄ちゃん!!かっこいいよ!!!」となりましたね。

最終的にブライアンのことを認めるところもかっこいい!!!

家族モノに本当に弱い…。

 

さて、こちらの作品。

連続して起きる火事の事件について真相を紐解いていくことになります。

舞台が消防団ということもあって、火事の現場もたくさん出てきます。

画面いっぱいの火、火、火。

火事の恐ろしさが伝わってきて怖くなりました。

そんな中で命をかけて消火活動をする消防士の人々。

安全な場所から見ているから、安易にそう思ってしまうのかもしれないけれど、

本当に過酷で、すごい仕事だな、と感じました。

消防士さん、警察官さん、お医者さん。

人々を、街々を守るお仕事っていろいろあると思うけれど、本当にすごいですよね。

日々安心して暮らせることに感謝です。

 

映画を見ている途中途中で何回も思ったのは、

「ブライアンってなんなんだ?」ということ。

というのも、いまいち掴み所がないのです。

消防士になったものの「絶対にこの仕事じゃなきゃやだ」ということもなさそう。

現場に出ても役に立つこともほぼなく。

挙句の果てには「なにをすればいい?」と自分の行動を人に聞く場面も。

兄スティーブンには『信念』があるけれど、ブライアンには『信念』がない。

この対比が残酷で、だからこそ、ラストにぐっときた気がします。

 

ずっとずっと父が殉職したあの日から。

ブライアンの心は迷子のままだったと思うのです。

大人になって、街に戻って、兄と再会して、事件を経て…。

再び自らの意思で消防車に乗ったブライアンの心は、

ようやく大人になって一歩踏み出せたのだと、そう感じました。

 

遠くを見つめるその瞳には、父が、兄が、映っていたのかもしれません。

そうしてその心にはきっと『信念』が生まれたと、そう信じています。